
再び台頭してきた小池百合子都知事に、菅義偉政権がいらだちを強めている。新型コロナウイルス対策では小池氏に緊急事態宣言再発令の流れを作られ、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長の辞任を表明した森喜朗元首相の失言をめぐっても小池氏が引導を渡したようにも見られており、小池氏の巧者ぶりが目立つからだ。政治決戦の衆院選を控え、菅首相サイドは「小池劇場」の再演に警戒感を強めている。
「『4者会談』について何ら決まったものはない。小池氏のコメントに政府として評価する立場にはない」
加藤勝信官房長官は今月10日の記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長、森氏、小池氏、橋本聖子五輪相による「4者会談」をめぐり、小池氏が欠席の意向を表明したことに不快感を示した。
五輪準備に携わってきた政府関係者によると、4者会談は森氏の失言を受け、一旦先送りする方向で調整されており、都側にも事前に伝えていたという。この関係者は「発表前に、さも自分が異議を唱えたみたいに言って、本当にせこい」と恨み節を漏らした。