阿比留瑠比の極言御免

迫りくるリベラル全体主義

 映画好きで知られる自民党議員に「これ面白かったよ」と薦められ、『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』をDVDで見た。世界恐慌下の1933年、景気は絶好調とされたソ連(現ロシア)に赴き、当局の監視をかいくぐって隠されていた現実を目撃した実在の英国人記者、ガレス・ジョーンズの物語である。

 何でも育つ肥沃な大地であるはずのウクライナに潜入したジョーンズはソ連の統制下で誰もが飢え、家族の遺骸まで食べる姿に衝撃を受ける。収穫された穀物などはほとんどがモスクワへ送られ、ウクライナ人の口には届かない。