政界徒然草

1年9カ月本格議論なき拉致特別委 山谷委員長「一日も早く議論」 後回しになる理由とは

首相就任後、横田早紀江さん(右手前から3人目)ら拉致被害者家族と初の面会に臨む菅義偉首相(左手前から2人目)=昨年9月29日午後、首相官邸(春名中撮影)
首相就任後、横田早紀江さん(右手前から3人目)ら拉致被害者家族と初の面会に臨む菅義偉首相(左手前から2人目)=昨年9月29日午後、首相官邸(春名中撮影)

 衆参両院に設置されている拉致問題特別委員会で本格的な議論が1年9カ月にわたって行われていない。安倍晋三、菅義偉(すが・よしひで)両政権で最重要課題と位置づけられてきた拉致問題だが、近年は目立った進展はなく、被害者の帰国を待ち続ける家族の高齢化も進む。国会が“本気度”を示さないままでは、日本は拉致問題への関心が薄いと誤ったメッセージを国際社会に発しかねない。

 「菅内閣にとって最重要課題。拉致被害者の家族も高齢で一刻の猶予もないと認識している」

 菅首相は1月13日の記者会見で、こう述べた。解決に向けては「条件を付けずに直接、(北朝鮮の金正恩=キム・ジョンウン=朝鮮労働党総書記と)向き合う決意だ。あらゆるチャンスを逃すことがないようにしたい」と強調した。

 北朝鮮は現在、新型コロナウイルスや国際的な経済制裁、中朝関係の悪化などによって危機的状況にあるともいわれている。今夏の東京五輪・パラリンピックに合わせて北朝鮮の要人が来日すれば、膠着(こうちゃく)する日朝対話の再開のきっかけになるのではないかとの予測もある。また、同盟国である米国ではバイデン政権に代わり、対北朝鮮政策がどう変化するのか注視される。

 にもかかわらず、拉致問題をめぐる国会の議論は低調だ。