東日本大震災10年

「トモダチ作戦」日米当事者が振り返る意義と教訓は

(左から)ロバート・エルドリッヂ氏、火箱芳文元陸上幕僚長=東京都千代田区(萩原悠久人、田中一世撮影)
(左から)ロバート・エルドリッヂ氏、火箱芳文元陸上幕僚長=東京都千代田区(萩原悠久人、田中一世撮影)

 11日で発生から10年を迎える東日本大震災では、米軍が最大時で約1万6千人、艦船15隻、航空機140機を投入した支援活動「トモダチ作戦」を実施し、被災地の復旧・復興に貢献した。震災当時、陸上自衛隊トップの陸上幕僚長だった火箱芳文氏と、在沖縄海兵隊基地外交政策部次長だったロバート・エルドリッヂ氏にトモダチ作戦の意義や教訓を聞いた。

 ■リスク共有が最も大事…同盟の強さ示せた

 【元陸上幕僚長 火箱芳文氏】

 東日本大震災発生から約30分、私は電話をかけ続けて部隊の出動や待機を指示しました。(陸上自衛隊トップの)陸上幕僚長に部隊運用の権限はなく、防衛相や統合幕僚長には事後報告になる。越権行為で処分されることも覚悟しました。