政界徒然草

ゼロコロナの源流は非武装中立か 立憲民主が連想させる空想的平和主義

衆院本会議でゼロコロナを訴えた立憲民主党の枝野幸男代表。後方は菅義偉首相=1月20日午後(春名中撮影)
衆院本会議でゼロコロナを訴えた立憲民主党の枝野幸男代表。後方は菅義偉首相=1月20日午後(春名中撮影)

 今となってはどこか遠い世界の話に思えるが、日本では「非武装中立」がそれなりに影響力を持った時代があった。要するに自衛隊を否定し、日米同盟の解消を求める考え方で、冷戦時代に野党第一党だった社会党や共産党が唱えていた。

 「非武装」と「中立」は両立が難しい。同盟国を持たずに非武装を貫くのは危険に過ぎるし、中立を維持するスイスのような国が国民皆兵の重武装国家であることにも目をつぶってはならない。非武装中立が「空想的平和主義」とも呼ばれたゆえんだ。

 大平正芳、中曽根康弘両首相のブレーンを務めた政治学者、佐藤誠三郎氏は平成9年に雑誌『中央公論』で「当時すでに社会党議員の多数は、非武装中立を実現可能な政策とは考えていなかった。しかし非武装中立を唱えることによって、比較的容易に野党第一党の地位を占めることができる以上、その立場の基本的変更は党としても議員としても自殺的愚行と思われた」と分析した。

 こんな昔話を思い出したのは、3月2日の衆院予算委員会で交わされた菅義偉(すが・よしひで)首相と立憲民主党の泉健太政調会長のやり取りがきっかけだった。新型コロナウイルス対策をめぐり、泉氏が立民の感染対策「ゼロコロナ」を採用するよう迫ったのに対し、首相はこう反論した。