政治デスクノート

閑古鳥が鳴く「歴史戦」発信施設

昨年10月には退任間もない安倍晋三前首相(左)も産業遺産情報センターを訪れた=東京都新宿区(奥原慎平撮影)
昨年10月には退任間もない安倍晋三前首相(左)も産業遺産情報センターを訪れた=東京都新宿区(奥原慎平撮影)

 東京都新宿区に、平成27年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」を紹介する「産業遺産情報センター」がある。長崎市の端島炭鉱(通称・軍艦島)など8県11市にある23施設について、先人の偉業を発信するため政府が開所を決め、昨年6月に一般公開された(運営は一般財団法人「産業遺産国民会議」)。

 「新宿区」というので、新宿駅周辺の繁華街や都庁界隈にあるのかと思いきや、場所を調べると同区若松町の総務省別館内だった。若松町と聞いても都外の人にはピンとこないだろう。都営大江戸線若松河田町駅を出て住宅街を歩くと、その建物はあった。まるで誰かに遠慮しているかのように目立たない。

 産業革命遺産は、軍艦島で朝鮮半島出身者に対し「非人道的な強制労働が行われた」と韓国が批判していることでも注目を集めるが、いやいやどうして、遺産そのものについて体系的に非常に分かりやすく紹介している。100年以上前に最先端技術で三池炭鉱の石炭を積み出した三池港(福岡県大牟田市)の紹介映像は、先人の工夫がよく伝わった。