政界徒然草

「自分の選挙は大丈夫なのか」 二階氏が下村氏にすごんだ理由 うごめく派閥間の暗闘

記者会見で記者団の質問に答える自民党の二階俊博幹事長(春名中撮影)
記者会見で記者団の質問に答える自民党の二階俊博幹事長(春名中撮影)

 衆院議員の任期満了を10月21日に控え、永田町で人と会えば必ずと言っていいほど衆院解散・総選挙の話題になる。そうした中、自民党の二階俊博幹事長が衆院選の時期に何度か言及した下村博文政調会長について「自分の選挙は大丈夫なのか」と言い放ったことが波紋を広げた。二階派(志帥会)と、下村氏が所属する細田派(清和政策研究会)の暗闘も背景にありそうだ。

 東京都内のホテルで自民党大会が開かれた3月21日、記者団の取材に応じた二階氏は、下村氏について問われ、語った。

 「われわれの仲間が解散なんていうことを軽々しく言うためには、どれだけ仲間の選挙のために自分が汗をかいたのか、自分の選挙は大丈夫なのかということをよく考えて、軽々しく言うべきものではないのではないか」

 下村氏は講演で首相の訪米後の衆院解散などについて触れており、二階氏が露骨に不快感を表明した。

 翌22日、自民党は役員会で、衆院解散は「菅義偉(すが・よしひで)首相の専権事項だ」として党幹部は発言を控えることを申し合わせた。しかし、その1週間後の29日、二階氏は「(野党が)内閣不信任決議案を出してきた場合、直ちに解散で立ち向かうべきだと首相に進言したい」と述べた。