菅政権考

なぜ沖縄と市ケ谷の規制緩める 土地利用規制の不透明な区域設定 自公政権の抜け穴

広大な敷地の周囲には住宅などが広がる防衛省=東京・市谷本村町(斎藤浩一撮影)
広大な敷地の周囲には住宅などが広がる防衛省=東京・市谷本村町(斎藤浩一撮影)

 外国資本などによる安全保障上重要な土地買収への対策として、政府が今国会で成立を目指す土地利用規制法案は、与党調整で公明党の主張を取り入れる形で、市街地を除外できるようにするなど規制対象区域が大幅に縮小されることとなった。政府は「成立できれば一歩前進」(内閣府幹部)と開き直るが、結果として区域指定のあり方は不透明になり、かえって「恣意(しい)的」との批判も招きかねない事態となっている。

■基地近くに中国系企業

 「自衛隊基地のすぐ近くに怪しげな中国系企業が入っている」

 社会部に在籍していた約7年前、こんな情報が知人の公安関係者からもたらされ、調べてみたことがある。それは航空自衛隊と米空軍が使用する横田基地に隣接する東京都福生市の雑居ビルの1室で、入居する中国系企業は那覇市に本社を置く従業員数人のデザイン会社だった。