都議会のドン「造反行為」の波紋 都議選で親族擁立方針、深まる混迷

 かつて「東京都議会のドン」と称された内田茂元都議(82)をめぐり、自民党都連が揺れている。内田氏は1月に行われた「お膝元」の千代田区長選で自民の対立候補を水面下で支援したとして、都連最高顧問を辞任。一方、7月に控える東京都議選の千代田区選挙区に内田氏の親族が自民候補として擁立されることが決まり、異を唱える党総支部長が辞意を表明した。長年の実績や党本部とのパイプもあり、今も影響力を持つ内田氏だが、異例の造反行為に端を発する混乱は、収まるどころか深まっている。(植木裕香子)

不倶戴天のはずが…

 「全国有数の区の首長は品格や実績のある人がなるべきだ。冗談じゃない」。千代田区長選を2カ月後に控えた昨年11月。千代田総支部の会合で、内田氏の怒号が響きわたった。

 千代田区は、都議を7期務めた内田氏の地盤だ。関係者によると、自民推薦候補に選出された千代田区議(当時)の早尾恭一氏の政治姿勢などを問題視し、擁立を取り下げるよう強く求めたという。

 すでに党総支部が推薦手続きを都連に申請する直前で、擁立撤回は困難だったが、内田氏は早尾氏の推薦が決まっても「応援できない」と反発。小池百合子知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の元千代田区選出都議、樋口高顕氏を水面下で支援した。結局、樋口氏は早尾氏らを破って初当選を果たした。

 小池氏は、平成28年の都知事選で自民党都連を「ブラックボックス」と批判、都連の推薦候補らを破り当選した経緯がある。当時都連幹事長だった内田氏は引責辞任に追い込まれており、不倶戴天の“小池政党”の候補を水面下とはいえ支援するという事態は、都連内に衝撃を走らせた。

 ある都連関係者は「内田先生は『小池さんには絶対近づきたくない』と話していたし、今回も小池さんとは会っていない」と断言。一方で別の都連関係者は内田、小池両氏と密接な関係を持つ自民党の二階俊博幹事長の存在に触れ「二階さんからの話で、樋口さんの支援に回った可能性はある」との見方を示した。