論点直言 日米首脳会談

中国にらむ日米関係の羅針盤とは ザック・クーパー/佐々江賢一郎/加茂具樹

(左から)慶応大の加茂具樹教授、アメリカン・エンタープライズ研究所のザック・クーパー研究員、日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長兼所長
(左から)慶応大の加茂具樹教授、アメリカン・エンタープライズ研究所のザック・クーパー研究員、日本国際問題研究所の佐々江賢一郎理事長兼所長

 菅義偉首相とバイデン米大統領は軍事力を増す中国に対抗するため日米同盟を強化していく。米ワシントンで16日に開かれた日米首脳会談では同盟強化やハイテク技術での連携、気候変動問題への対応など幅広い分野での協力を確認し、台湾への軍事的圧力を強める中国を牽制(けんせい)するメッセージも出した。日米首脳会談の評価や今後の課題などについて専門家に聞いた。

「台湾有事の共同対処計画を急げ」

■アメリカン・エンタープライズ研究所研究員のザック・クーパー氏

 日米首脳が直接会って一定の時間を一緒に過ごし、互いを知り合えたというのは重要だった。会談後に発表された共同声明も上々の出来だったといえる。

 台湾有事が起きれば、日米同盟にとっても最大の危機となる。共同声明では「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたが、それで(地域の)軍事バランスが(日米に有利に)転じるわけではない。

 台湾有事に備えるために日米がなすべきことは2つあると思う。