憲法の限界 施行74年

(上)コロナがあぶり出した欠陥

 新型コロナウイルス対策で3度目の緊急事態宣言発令が決まった23日。官邸で記者会見に臨んだ首相の菅義偉は普段の淡泊な口調と違い、力強くこう語った。

 「緊急事態に対応する法律を改正しなければならないと痛切に感じている」

 菅はコロナ患者用の病床が確保できていない現状に触れ「医療関係者に対する政府の権限は『お願いベース』でしかないのが現実だ」と赤裸々に述べた。政府は病床確保を何度も要請し、補助金も出すが、強制力はない。菅の声音は明らかにいらだっていた。

 国民のために必要ならば速やかに法整備する-。こんな当たり前のことが進まない。自民党衆院議員の橋本岳も法の限界を肌で感じる一人。厚生労働副大臣だった昨年2月、コロナの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に3週間近く乗り込み、陣頭指揮にあたった。