憲法の限界 施行74年

(中)震災に立ちはだかった財産権

 宮城県南三陸町の町長、佐藤仁(じん)は平成23年3月11日の東日本大震災で約12メートルの津波が襲った町防災対策庁舎の外階段にしがみつき、九死に一生を得た。全身に津波をかぶって凍える中、目に入ってきたのは想像を絶する光景だった。

 「庁舎の上から町を見たとき、町でなくなっていた。本当に再建できるのか」

 そう感じた佐藤には町長の役目がある。役場も職員も被災し、救助もままならない中、避難所となった体育館に1万人がいるようだとの報告が入った。まず頭に浮かんだのは「食料をどうするか」だった。