憲法の限界 施行74年

橋本岳元厚労副大臣「緊急事態新設し、平時から備えを」

クルーズ船対応にあたった経験も踏まえ、憲法に緊急事態対応を書き込む必要性を訴える橋本岳元厚生労働副大臣(酒巻俊介撮影)
クルーズ船対応にあたった経験も踏まえ、憲法に緊急事態対応を書き込む必要性を訴える橋本岳元厚生労働副大臣(酒巻俊介撮影)

 新型コロナウイルス禍を受け、自民党内で憲法に国家の緊急事態に対応するための条項を明記すべきだとの改憲論議が活発になっている。昨年2月、集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」(乗客乗員約3700人)に乗り込み、感染対策を陣頭指揮した橋本岳元厚生労働副大臣がインタビューに応じ、国家や国民が平時から危機への備えを進めるためにも、緊急事態条項新設への議論を始めるべきだと訴えた。

 --クルーズ船の集団感染で法整備の不備は感じたか

 「毎日発熱者が出てくる現場では、規制がどうこうというより、『医師が足りない』『病床が足りない』という現実問題の方が切実だった。乗客乗員を横浜に停泊した船内にとどめて検疫したのも、当時、感染疑いの人を受け入れる宿泊施設がなかったからだ」

 「今回の対応を法律的に説明すると、2月1日に那覇を出港し、横浜に向かっている最中に、感染疑いのある乗客が乗っていることが分かった。なので、那覇検疫所がいったん出した(海外から来た乗客らの上陸を認める)『仮検疫済証』を取り消した」