
憲法記念日から1日が過ぎた。一体何を記念したというのだろう。この日はむしろ、第二次世界大戦で敗戦し占領された日本が、アメリカの作った憲法を押し頂くことになった屈辱の日である。それを施行74年たったいまも改正し得ていないことを、恥じてしかるべき日だろう。
国民を十全に守れない
国家は国民を守るためにある。国民を守るためには戦わなければならないことがある。これはホッブズ、ロック、ルソーらの国家論に共通する考え方である。ルソーなどは、「必要とあらばすべての人は、祖国を防衛する戦争に赴かねばならない」とまでいっている(「社会契約論」)。
好戦的であれなどといっているのでは当然ない。日本人は平和を希求している。しかし国民を守るために国家は戦わなければならないことがあるとは、当然の道理である。
日本は国民を守るという当たり前のことが十全にはできない。政府は憲法が自衛権まで否定するものではないとしている。しかし基本方針とする専守防衛は自らを縛る。敵基地攻撃能力の保有などについて慎重論はいまだに根強い。