公職選挙法の条文に誤りがあり、一部の規定に罰則がない状態だったことを参院法制局が把握していたにもかかわらず、2年以上放置していたという異例の問題が発覚した。法案を提出した自民党は対応に追われ、国会運営にも支障が出た。平成30年の法改正直後に外部からミスを指摘されながらも、なぜ参院法制局は隠蔽したのか。理由は判然としていないが、“事なかれ主義”できた国会の姿勢を理由に挙げる声もある。
「心よりおわび申し上げる」
参院法制局の川崎政司局長は4月20日の参院総務委員会で、立憲民主党の吉川沙織氏から条文ミスを放置していたことを問われ、謝罪した。
問題が発覚したのは同17日、朝日新聞デジタルが「公選法の罰則、2年消えたまま 参院法制局『単純ミス』」と報じたことがきっかけだった。参院法制局によると、改正公選法は30年10月に施行。その2カ月後の同12月、同法を所管する総務省から「(公選法に)疑問がある」とのメールが寄せられた。