□司会 井口文彦・本紙東京編集局長
格調・品ある「義の国」に 新保氏
令和の御代を迎えた。新しい時代のスタートにあたり、平成のサッカーとスポーツ界を強力に牽引(けんいん)した川淵三郎キャプテンと、日本の伝統文化や日本人の精神性を見つめ続けてきた文芸批評家の新保祐司氏という異色の初顔合わせで、「令和の日本」を存分に語り合ってもらった。◇
--まず新元号『令和』の感想を伺います
新保 令和の発表を聞いて、その瞬間に大変うれしく思いました。字にも語感にも格調、品位を感じました。おそらく私が人生の晩年、最後を過ごす元号になると思われますので、自分の感覚にフィットした元号の下で生きたいと思っていたんです。
川淵 令和という漢字がいい。読みやすいし、書きやすい。『万葉集』という日本の古典から採られたこともいい。これからはずっとそうなっていくのだろうと思い、心から喜んでます。昨年は明治150年でしたが、当時への憧憬(どうけい)や議論が沸(わ)いてこなかった。令和をきっかけに、明治や『万葉集』の時代の日本が話題になればいいと思います。