鎮静剤「上限設けず投与」 東京女子医大で2歳男児死亡 看護師が民事訴訟で説明

 東京女子医大病院(東京都新宿区)で平成26年2月、当時2歳の男児が顎のリンパ管腫の手術を受けた後に鎮静剤「プロポフォール」の過剰投与で死亡した事故で、術後管理を行っていた集中治療室(ICU)の医師団の一人が上限を設定せずに投与の継続を指示していたと、看護師が説明していることが5日、分かった。男児の両親が、この医師や看護師らを相手取って起こした民事訴訟の資料から判明した。同訴訟で関係者の具体的な陳述内容が明らかになったのは初めて。

 看護師は、鎮静剤の投与量の初期設定値を決定したとされる麻酔科医が研修医と看護師への引き継ぎで、「上限はない」と説明しながら投与継続を指示したと主張。麻酔科医は「過不足なく投与量の調整を行うよう指示した。上限はないという説明はしていない」と反論しているが、男児が死亡するまでの4日間の投与量が積算で成人の許容量の約2・7倍に上っていた。