解読

問われる勾留の在り方 社会部長・中村将

 日本の刑事司法の在り方が問われている。昨年来、耳目を集めた日産自動車前会長、カルロス・ゴーン被告(65)の事件をきっかけに、「勾留」と「保釈」に対する関心が国内外で一気に高まった。くしくも裁判員制度導入から10年を迎えようとしている今、何が問題となり、どのような議論が求められているのだろうか。

                   

 ■先走る裁判所 「国際圧力」が黒船に

 ゴーン被告の事件は異例ずくめで推移している。

 東京地検特捜部は昨年11月、有価証券報告書に役員報酬を過少に記載したとして金融商品取引法違反容疑でゴーン被告を逮捕した。特捜部はゴーン被告が会社を私物化した実態を解明するための「入り口」と位置づけ、約48億円の過少記載をしたとして起訴した同12月10日、別の期間の過少記載の容疑でも再逮捕した。

 異変はここから起きる。

 12月20日、特捜部が請求した10日間の勾留延長を東京地裁は認めなかったのだ。決定を不服とした特捜部は準抗告したが、東京地裁は退けた。

 容疑者逮捕後、検察は48時間以内に、さらなる取り調べが必要な場合は10日間の勾留を請求でき、さらに必要と判断した場合は、加えて最長10日間の勾留延長を請求できる。

 特捜部が手がける大型の経済事件で、特に容疑者が否認を貫くケースでは、容疑者の勾留と再逮捕を重ね証拠を固めていくという手法を取るため、これまで最長20日間の勾留が認められるのが「常道」だった。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください