靖国創立150年、年2回の勅使派遣も…なお遠い「ご親拝」    

74回目の「終戦の日」。靖国神社で黙祷する参拝客=15日正午、東京都千代田区(川口良介撮影)
74回目の「終戦の日」。靖国神社で黙祷する参拝客=15日正午、東京都千代田区(川口良介撮影)

 創立150年の節目を迎えた靖国神社が、令和最初の「終戦の日」を迎えた。昭和50年の昭和天皇を最後に「天皇のご親拝」は途絶えているが、戦没者を等しく悼む上皇さまは在位中、勅使を年に2回、靖国神社に派遣し続けられてきたし、天皇陛下も立太子前、創立100年の節目に9歳で参拝されたことがある。歴代天皇に受け継がれる英霊への御心。しかし、それでも在位中のご親拝の実現は遠い。

 靖国神社は、幕末から明治維新期に多くの命が失われたことから、国家のために命をささげた人々の御霊を慰めるため明治2年、招魂社として明治天皇の思(おぼ)し召(め)しで創建された。12年には靖国神社と社号が改められ、戦争などで国に殉じた人々を慰霊するため、明治、大正、昭和の歴代天皇がご親拝を重ねてきた。