諫早訴訟、対立収束へメッセージ 「非開門」の和解に道筋

潮受け堤防の北部排水門で仕切られた有明海(左奥)と調整池=長崎県諫早市(大竹直樹撮影)
潮受け堤防の北部排水門で仕切られた有明海(左奥)と調整池=長崎県諫早市(大竹直樹撮影)

 国営諫早(いさはや)湾干拓事業(長崎県)をめぐり、潮受け堤防排水門の開門を命じられた国が確定判決の無効化を求めた請求異議訴訟は13日、福岡高裁に差し戻されることになり、長く続く法廷闘争の決着は先送りされた。最高裁第2小法廷は、漁業者側の開門請求権が消滅したとする2審福岡高裁判決の判断を否定しつつも、開門を命じた確定判決を無効化する方向性を示唆。「非開門」での和解を促したともいえる。

 昨年7月の2審福岡高裁判決は、平成22年12月の確定判決の時点で、漁業者が持っていた共同漁業権は25年8月に消滅し、更新された現在の漁業権とは別のものと判断。開門請求権も失われたとして“門前払い”した格好となっていた。