赤軍派53人逮捕「大菩薩峠事件」から50年 84歳の元女将が振り返る

(上)昭和44年11月5日、福ちゃん荘の前で機動隊に連行される赤軍派活動家たち (下)現在の福ちゃん荘=山梨県甲州市塩山上萩原(渡辺浩撮影)
(上)昭和44年11月5日、福ちゃん荘の前で機動隊に連行される赤軍派活動家たち (下)現在の福ちゃん荘=山梨県甲州市塩山上萩原(渡辺浩撮影)

 山梨県塩山市(現・甲州市)の大菩薩峠(標高1897メートル)近くで昭和44年11月、過激派、赤軍派の活動家53人が一斉逮捕された「大菩薩峠事件」から間もなく50年を迎える。現場となった山小屋「福ちゃん荘」に登ると、女将(おかみ)だった雨宮玉江さん(84)が元気に出迎え、当時を振り返ってくれた。(渡辺浩)

早朝、機動隊が急襲

 「武装蜂起」を掲げる赤軍派を警察当局は監視していた。11月3日朝、千葉市の国鉄西千葉駅近くのアジトを出た2人の活動家を千葉県警の捜査員が尾行。総武線、中央線を乗り継いで福ちゃん荘に向かったことを確認した。