「外圧に屈した」ゴーン被告の保釈 異常事態招いた裁判所の判断

大勢の報道陣に囲まれながら、弘中弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3月12日、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)
大勢の報道陣に囲まれながら、弘中弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=3月12日、東京都千代田区(佐藤徳昭撮影)

 裁判所が早期に被告の身柄拘束を解く流れは、カルロス・ゴーン被告の保釈を機に一気に加速した。被告に十分な公判準備の時間を確保する必要があるとの観点からだが、海外逃亡により公判すら開かれない可能性が浮上するという本末転倒の異常事態となった。近年相次ぐ異例の保釈判断が真相究明という刑事司法の目的を阻害しているとの懸念が現実となった形だ。