「社長の声」を合成、現金を詐取 本物そっくり「ディープフェイク」のワナ

 AI(人工知能)に音声や映像を学習させ、本物そっくりの声や動画を合成する新技術が注目されている。昨年末のNHK紅白歌合戦では往年の名歌手、故美空ひばりさんの歌声をAIで再現した“新曲”が披露され、話題となったが、一方で悪意のある偽動画がインターネット上で拡散するなど技術が悪用される問題も指摘されている。海外では、偽の音声でなりすまし電話を受けた企業が現金をだまし取られる詐欺事件も発生。関係者は「日本でも今後、起きる可能性がある」と警鐘を鳴らす。(橋本昌宗)

 《あれから どうしていましたか》

 昨年12月31日。平成元年に亡くなった「昭和の歌姫」の“歌声”が、全国のお茶の間に響き渡った。