都市を守る巨大な地下河川 浸水被害防ぐ切り札に

大阪を浸水被害から守る寝屋川南部地下河川=大阪府東大阪市(柿平博文撮影)
大阪を浸水被害から守る寝屋川南部地下河川=大阪府東大阪市(柿平博文撮影)

 水の都、大阪の地下で、人工河川の整備が進んでいる。訪ねると、冷たいコンクリートに覆われた巨大トンネルの中は薄暗くひっそりとしていた。昨年、台風19号が関東地方を襲った際、首都圏では「地下神殿」とも呼ばれる巨大な水路が浸水被害を軽減して注目を集めたが、大阪の地下河川もゲリラ豪雨や台風の際には、雨水をため、水を逃すという大きな役割を担う。都市の生命と財産を守る、雨にも負けない縁の下の力持ちは、地下深くで静かに災害に備えていた。(西川博明)

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 大阪府東大阪市を通る主要幹線道、大阪中央環状線沿いにひっそりと立つ建物に足を踏み入れた。地下へと続く何百段もある長い階段をゆっくり下りていくと地底25メートル、コンクリートで覆われた巨大な空間が広がった。8階建てマンションがまるごと納まるほどの立坑(たてこう)だ。

 「ここが『若江立坑』と呼ばれる地下河川の最上流部にあたる場所です」

 説明してくれたのは、大阪府寝屋川水系改修工営所(大阪市城東区)の佐々木剛(たけ)志(し)主査だ。府が昭和56年から整備を続けている「寝屋川南部地下河川」の起点。直径約7メートルの巨大トンネルとつながっており、そのトンネルは現在、約11キロ先の大阪市阿倍野区まで続いている。大雨の際に下水道が処理能力を超えてあふれるようになると、トンネルに雨水を逃し、ポンプでくみ上げて、川に放出するしくみだ。

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