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寿命を全うか安楽死か ご長寿動物の幸せな最期とは

 「ご長寿さん」の動物は幸せな最期を迎えているのか-。今年に入って国内最高齢のライオンとコアラが相次いで死んだ。ライオンのやせ衰えた姿には来園者から安楽死を求める声も上がったが、園側は寿命を全うする方針を選び、弱った体をサポートする工夫を重ねた。野生に比べて餌が豊富などの理由で高齢化の傾向にある飼育下の動物。どうすれば尊厳ある死を迎えられるか、現場の人間も模索を続けている。(南里咲)

 1月31日、京都市動物園で、雄のライオン「ナイル」が多臓器不全で死んだ。国内最高齢の25歳10カ月で、人間では100歳以上に相当する。

 年老いてからは、研がなくなった爪を麻酔で眠らせて切ったり、鶏肉を細かく切って与えたりするなどのサポートを行ってきた。死ぬ直前の3日間は餌もほぼ食べなかったが、死期が近いと察した飼育員らは積極的な延命治療はせず、静かに見守ったという。