昭和天皇の87年

皇太子と1年4カ月ぶりに再会 「我が軍人は科学を忘れた…」

画=千葉真
画=千葉真

第204回 GHQ(4)

 「国家は多事であるが、私は丈夫で居るから安心してください 今度のやうな決心をしなければならない事情を早く話せばよかつたけれど 先生とあまりにちがつたことをいふことになるので ひかへて居つたことを ゆるしてくれ」

 終戦間もない昭和20年9月9日、栃木県の奥日光に疎開されていた皇太子(上皇さま)のもとに届いた、昭和天皇の手紙である。

 「敗因について一言いはしてくれ 我が国人が あまりに皇国を信じ過ぎて 英米をあなどつたことである 我が軍人は 精神に重きをおきすぎて 科学を忘れたことである」

 「明治天皇の時には山県(有朋) 大山(巌) 山本(権兵衛)等の如き陸海軍の名将があつたが 今度の時は あたかも第一次世界大戦の独国の如く 軍人がバッコ(跋扈)して大局を考へず 進むを知つて 退くことを知らなかつた」

 「戦争をつゞければ 三種神器を守ることも出来ず 国民をも殺さなければならなくなつたので 涙をのんで 国民の種をのこすべくつとめたのである…」(※1)

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