どうする福祉 縮む日本の処方箋

第2部 医療×介護(5)変わる終(つい)の棲家(すみか) 頼りは職業家族

「ファミリー・ホスピス成瀬ハウス」で利用者に接する職員(右)=1月24日、東京都町田市 (三尾郁恵撮影)
「ファミリー・ホスピス成瀬ハウス」で利用者に接する職員(右)=1月24日、東京都町田市 (三尾郁恵撮影)

 ダイニングの高さ3・5メートルの天井に設けられた採光窓から自然光がケヤキの大テーブルに降り注ぐ。傍らの個室ではビートルズの「レット・イット・ビー」が流れ、男性がベッドで穏やかに眠っていた。

 東京都町田市の幹線道路沿いに建つ2階建ての建物は、がんや難病患者ら20人が暮らすシェアハウス型ホスピス(緩和ケア)住宅「ファミリー・ホスピス成瀬ハウス」だ。

 昨年2月に入所した樋口正裕さん(69)は体が徐々に動かせなくなる「パーキンソン病」で、要介護5(7段階で最も重い介護レベル)だ。ハウスには看護、介護スタッフが30人いて、看護師は24時間365日常駐しており、週1回は医師の往診も受けている。

本音は「帰りたい」

 ハウスの特徴は、スタッフが利用者の「職業家族」として、本人の決定を「家族のような覚悟」で尊重し、支えてくれること。樋口さんは同8月、スタッフの付き添いで念願の1日帰宅を果たした。妻(62)が用意してくれた手料理は焼き肉にギョーザ、春巻きと、樋口さんの好物ばかり。「カロリーは高いけど、うれしかった」と振り返る。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください