日曜講座 少子高齢時代

人口減対策の好機としたい コロナ後の社会再建 客員論説委員 河合雅司

“感染症弱者”が増大へ

 新型コロナウイルスとの戦いは長期に及び、社会は大きく変質した。

 当面は感染封じ込めに尽力しなければならないが、同時に「コロナ後」に何をすべきかも考え始めておく必要がある。

 日本における社会再建は“原状回復”とはいかない。少子高齢化や人口減少が深刻化する時期と重なるためだ。この影響を織り込んだ再建でなければ、大きく誤る。

 「コロナ後」に真っ先にすべきことの1つは、“次なる戦い”への備えだ。「人類史は感染症との戦いの歴史」と言われるが、繰り返し起こり得る。

 しかも日本は年を追うごとに感染症に弱くなる。年齢を重ねるほど基礎疾患を抱える人は増えるからだ。