昭和天皇の87年

日本再建の功罪 そして老兵は消え去った

画=千葉真
画=千葉真

第220回 マッカーサー離日

 桜の散りかけた昭和26年4月15日、東京・赤坂の米国大使館に、昭和天皇の姿があった。向かい合って座るのは、4日前に連合国軍最高司令官を解任され、私人となったマッカーサーである。

 昭和天皇は、《マッカーサーに御告別のお言葉を賜い、来日以来五年八箇月にわたる日本再建への努力と日本国民への好意に対し謝意を表される》(昭和天皇実録40巻28頁)

 昭和天皇の「謝意」は、儀礼以上のものだっただろう。来日当初、米国世論やオーストラリア政府などが天皇の訴追を求めていたことはすでに書いた通りだ。占領統治に天皇の権威が必要だったとはいえ、マッカーサーが国際世論に屈せず、皇室制度の存続に果たした功績は決して小さくない。