皇室と国民の触れ合い 「密」な状態避け新たな形を模索

天皇陛下と皇居に入られる皇后さま=2日午前10時41分、東京都千代田区(代表撮影)
天皇陛下と皇居に入られる皇后さま=2日午前10時41分、東京都千代田区(代表撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大により、国民との触れ合いを重視してきた皇室の活動が岐路に立たされている。緊急事態宣言が解除された後も、人との距離を一定に保つ「新しい生活様式」では、従来のように天皇、皇后両陛下や皇族方が地方訪問などで国民の中へ入り、声をかけるなどの「平成流」のご交流が難しくなる。宮内庁など関係機関は、コロナ禍の皇室と国民をつなぐ新たな道筋を模索している。

 今年2月の誕生日会見で、「多くの人々と触れ合い、直接話を聞く機会を大切にしていきたい」と述べられていた天皇陛下。昨年5月の即位後、皇后さまとともに11府県(静養を除く)を訪れ、行く先々で集まった人たちに歩み寄り、高齢者や車いすの人の前などでは腰をかがめて顔を近づけ、被災地では人々の手を握るなどして交流を深められた。