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進む抗体検査 実態把握に期待も課題あり

 新型コロナウイルスをめぐり、過去の感染歴を調べる「抗体検査」の実施が広がっている。今月からは、東京、大阪、宮城の3都府県での計1万人規模の検査が政府主導でスタート。感染症蔓延(まんえん)の実態を把握し、感染症対策の方針決定の根拠としても期待がかかるが、新型コロナに対する免疫機構については解明されていないことが多く、課題もある。(有年由貴子)

 《抗体を持っていれば、再発はないのか》

 こんな意見が、大阪府の男性読者(67)らから寄せられた。

 抗体は、ウイルス感染の際に体の防御機構「免疫」によって作られるタンパク質で、ウイルスに結合して無毒化するといった働きがある。次の感染に備えて治癒後も一定期間血液中にとどまるとみられ、その有無を調べるのが抗体検査だ。

 検査では、過去にウイルスに感染したかどうかが分かり、感染者の実態を把握するとともに、次の流行時に感染する可能性がある人数や、ワクチン接種が必要な人数の推計に役立つと期待される。

 政府主導検査に使うキット開発に携わる大阪市立大の城戸康年准教授(寄生虫学)は「いったん感染が落ち着いた今、抗体検査で感染の広がりを調べることで、これまでの感染対策について検証する機会となる」とした上で、「経済活動再開にあたり、今後の感染拡大を察知する警戒システムをどのように築いていくかを考える重要なデータにもなる」とする。