昭和天皇の87年

世界に天皇を見せたい-史上初の外遊へ高まる期待

画=筑紫直弘
画=筑紫直弘

第232回 ベルギー国王の招待状

 「お上の御風格も世界の人に見せてやりたい…」

 侍従の入江相政が日記にこう書き込んだのは、昭和35年の年末である。

 前年に結婚された皇太子(上皇さま)夫妻がアメリカやインドなどを訪問し、友好親善に尽くされたことはすでに書いた。復活日本の平和方針をアピールする上で、皇室外交が果たす役割は大きい。入江は、昭和天皇が「段々お年を召してしまふ」前に、外遊の機会が訪れることを待ち望んだ。