昭和天皇の87年

世界が認めた“科学者天皇” 少年時代の夢に近づく

画=井田智康
画=井田智康

第243回 那須の自然

 昭和58年の夏、昭和天皇は、栃木県・那須に広がる森を歩いている。たびたび草木に近寄り、手にとって観察する。フリソデヤナギ、ウチョウラン、ホソバノツルリンドウ…。花や葉の状態を声に出して確認し、助手の侍従らが書き留めていく。あとで昭和天皇が自ら記録として整理するためだ。

 うっそうとした森の小道を進み、見通しのよいところに出ると、青空の中に、雄大な那須岳が浮かぶ。遠くに人家や畑も見え、小鳥がさえずる。日本の自然と平和の原風景-。それを昭和天皇は、こよなく愛した。

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