2つの戦争 皇国少年たちは外国人になった 

在日本大韓民国民団の宣伝部長時代に非武装地帯で北朝鮮軍が掘ったトンネルを記者に案内した際の宋政模さん(右)=1976年(張哲男さん提供)
在日本大韓民国民団の宣伝部長時代に非武装地帯で北朝鮮軍が掘ったトンネルを記者に案内した際の宋政模さん(右)=1976年(張哲男さん提供)

 日本の朝鮮半島統治時代、「日本人」として教育を受けて成長した少年たちがいた。それぞれが将来の姿を描いたが、日本の敗戦により日本国籍を失い、その後勃発した朝鮮戦争で祖国は戦火に見舞われた。「2つの戦争」に翻弄されながら生きた2人の戦後を振り返る。(石川有紀)

「進学も、架け橋の夢も挫折した」

 「医師になって祖国と日本の架け橋になる夢は、2つの戦争で砕かれた」

 こう語るのは、北九州・八幡生まれで、韓国・釜山に住む宋政模(ソンジョンモ)さん(86)だ。祖父から3世代にわたり日本で暮らした。