戦後75年 慰霊と追悼(2)

遺骨収集 果たせぬ「戦没者との約束」

 東京・千鳥ケ淵戦没者墓苑。身元不明や引き取り手のいない遺骨が埋葬されるこの場所で、戦没者遺骨が収集団とともに帰還するたび遺族が出迎える光景が繰り返されてきた。夫や父、兄弟かもしれない-。そんな思いを胸に、遺族らは遺骨に深々と頭(こうべ)を垂れる。

国が放置した戦没者遺骨の取り違え

 だが、遺骨は戦没者でも日本人でもなかったという遺骨収集事業の根幹を揺るがす事実が今年3月、明らかになった。昨夏以降の疑惑を受けて、所管する厚生労働省の有識者チームは、ロシアやフィリピンで平成11~26年に収容した607人分にあたる遺骨の再鑑定を行い、約7割を「日本人の可能性が低い」と結論付けた。17年から疑義が指摘されていたにもかかわらず、同省が放置していたことも判明した。