戦後75年 慰霊と追悼(5)

戦争を語る「遺品」、後世に伝える

 寄せ書きのある日章旗や千人針、穴の開いた軍靴、使い込まれた食器-。姫路市平和資料館(兵庫県)の分厚い防火扉に守られた部屋の棚には「戦争遺品」が所せましと並ぶ。それぞれに名前や番号を記したタグが付けられている。

 平成8年の開館以降、遺族や本人の申し出で、戦地に赴いた兵士や空襲被害に遭った人々の「思い出の品」を受け入れている。その数はおよそ1万5000点に上る。

 しかし、品数の多さは、一つの課題を浮き彫りにする。戦争体験者の子供から孫、ひ孫と世代を経るにつれて思いは薄くなる。「この数年は寄贈のペースが増えている。それだけ戦争を伝えるのが難しくなっているということでしょう」。資料館の担当職員、田中美智子は風化を憂慮している。