実は性善説だった「牛肉の信頼」を裏切る和牛偽装の手口

 牛の“背番号”ともいえる個体識別番号を使い回すなどの手口で交雑牛を高級な「和牛」に偽装し、焼き肉店に卸したとして、神戸市東灘区の食肉卸会社「神戸サカヱ屋」(現・神戸武蔵フーズ)前社長の男(60)が不正競争防止法違反容疑で逮捕された。この手の偽装では、肉の味に疑問を抱いたとしても、不正と断じるには相当な手間がかかるため、一般には販売元を“性善説”で信頼するしかない。男は食のブランド化をテーマに講演し、メディアに露出するなどして信用を築いており、専門家は「裏切りの罪は大きい」と批判している。

不正売り上げ1千万円超か

 男は神戸市東灘区の商店街で、「神戸サカヱ屋」傘下の精肉店「神戸甲南サカヱ屋」を経営。7月28日午前、兵庫県警の警察官に店で任意同行を求められ、不正競争防止法違反の疑いで逮捕された。