戦後75年 領土の記憶(2)

脱出すべきか、とどまるべきか 四島の不法占拠拡大

 「島民各位に告ぐ」という一通の文書がある。

 《領土関係は未(いま)だ正式決定を見ず 従って壮者(そうしゃ)は出来得(できう)る限り現地に踏止(ふみとど)まり 一致協力各自の財産を管守し 今暫(しばら)くの健闘を切望す》

「日本固有の領土。その足跡を証拠づける」

 ソ連軍は昭和20(1945)年8月28日、北方領土の択捉(えとろふ)島に上陸してから国後(くなしり)、色丹(しこたん)両島と歯舞(はぼまい)群島を相次ぎ不法占拠した。当時の北海道・根室港には脱出してきた大勢の島民がひしめいていたという。

 文書は同年9月付。当時の根室支庁(現根室振興局)長、徳永俊夫氏が4島の島民に向けて布告したものとみられ、結束してソ連軍から島を守るよう呼びかけている。同時に高齢者や女性、病人は避難するよう促してもいた。

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