
学問の神、菅原道真をまつる北野天満宮(京都市上京区)は4日、国家安寧を願う「北野御霊会(ごりょうえ)」を執り行った。応仁の乱で途絶えて以降約550年ぶり。道真の神霊がもたらすと考えられた疫病や天変地異を鎮める神事で、新型コロナウイルス感染症の終息がみえない中、神社として復活させることを決定。天台宗総本山の比叡山延暦寺(大津市)も加わり、神仏習合の形で執り行われた。
御霊会には、同天満宮の橘重十九(しげとく)宮司(71)ら神職と天台宗の森川宏映(こうえい)座主(94)ら僧侶の計約20人が参列。最初に橘宮司が祝詞を読み上げ、次に、神事の中心となる導師を務める森川座主が、法要の趣旨を述べる祭文(さいもん)を読み上げ拝礼した。
応仁の乱で途絶え
今回御霊会が約550年ぶりに再興された背景には、新型コロナの感染拡大による社会的不安を鎮めるため、祈ることこそが使命と考えた天満宮側の考えがある。
御霊会は疫神や死者の怨霊などを鎮め、なだめるために行う。京都では、7月に行われる八坂神社(祇園社)の「祇園御霊会」が有名だ。疫病退散の祭礼で祇園祭の前身にあたる。