臨終への備え 多死社会の中の「看取り士」という仕事

映画「みとりし」の一場面。看取りの作法では、座った状態で片方の足を曲げて枕を作り、看取られる人を寝かせるという(C)2019「みとりし」製作委員会
映画「みとりし」の一場面。看取りの作法では、座った状態で片方の足を曲げて枕を作り、看取られる人を寝かせるという(C)2019「みとりし」製作委員会

 高齢者が亡くなるまでを見守り、世話をする「看取(みと)り」。余命宣告された人が理想的な最期を迎えられるようにと本人や家族を支える活動をしている一般社団法人「日本看取り士会」(岡山市)が、株式会社を設立した。個別の企業との連携を広げていくのが狙いで、第1弾として独居世帯に向けた見守りサービスを始めた。高齢化で多死社会を迎える一方、核家族化の進展で高齢者の独居は増加している。あらかじめ看取り士とコミュニケーションをとってもらい、臨終への備えを円滑に進めてもらう考えだ。

定時メールで見守り

 「看取り士」は同会が認定する民間資格。死の間際にある人への寄り添い方や看取りの作法を家族に伝える。家族のいない人には自ら看取りを行う。昨年9月に看取り士を題材にした映画「みとりし」が公開されて反響を呼び、昨年9月時点で全国で670人だった看取り士は、今年9月9日現在で1215人と倍近くに増えた。