戦後75年 国家主権(2)

拉致事件 解決遠ざけた「不作為」

 北朝鮮の工作員たちは工作船で領海に侵入、不法に上陸して多くの日本人を拉致していった。北朝鮮による拉致は戦後、わが国の主権が侵害された最も深刻な事件といえる。被害者とその家族らの人権は今もなお侵害され続けている。

 6月9日、東京・永田町の衆院第1議員会館。拉致被害者、横田めぐみ(56)=拉致当時(13)=の母、早紀江(84)ら家族が記者会見に臨んでいた。

 めぐみの父で被害者家族会初代代表の滋が87歳で亡くなった4日後のこと。葬儀を終え、感謝の言葉を連ねた早紀江に続き、双子の息子、拓也(52)と哲也(52)は語気を抑えながらも、痛烈に無念さを吐露した。