政府機関でありながら独立…日本学術会議、その輪郭を探る 

東京都内で開かれた日本学術会議の総会=10月2日
東京都内で開かれた日本学術会議の総会=10月2日

 菅義偉(すが・よしひで)首相が新会員候補のうち6人を任命しなかったことで、にわかにクローズアップされた日本学術会議。戦後まもなく誕生し、「国内約87万人の科学者を内外に代表する機関」と自称するが、今回の問題が持ち上がるまで、その存在を知らなかったという人も多いだろう。政府の一部でありながら独立した組織でもある「アカデミー」の輪郭を、歴史や制度、海外との比較などから描き出してみる。(玉崎栄次)

政府から独立

 日本学術会議が発足したのは、戦後間もない昭和24年のこと。先の大戦に科学技術が動員された反省などから、設置の根拠となる日本学術会議法で政府から独立した「特別の機関」と位置づけられている。

 「特別の機関」の例としては、検察庁や自衛隊がある。過去には、工業分野の研究や技術指導などを担う「工業技術院」という組織もあったが、平成13年の中央省庁改革に伴い、現在の産業技術総合研究所(産総研)として独立行政法人化されている。

 活動は多岐にわたる。科学政策について政府に提言や勧告を行うほか、科学の啓発活動や国内外の科学者の交流促進なども主要な職務とされる。

 注意しておきたいのは、シンクタンクのような研究や調査を担う機関ではないという点だ。シンポジウムなどの開催も手掛けているが、「科学者の代表」としての意見表明が中心。さしずめ「巨大な審議会」といったイメージだ。

有料会員向け記事こちらは有料会員記事です (会員サービスについて)

産経ニュース会員(無料)に登録している方は、ログイン後に有料会員登録を行ってください