孤高の国母

(21)節子姫が変身?! 「輝くばかりのお美しさ…」

節子姫が里子時代に使った肌着、足袋、玩具の太鼓。九条家の家紋の入った箱におさめられ、現在も大河原家に保管されている
節子姫が里子時代に使った肌着、足袋、玩具の太鼓。九条家の家紋の入った箱におさめられ、現在も大河原家に保管されている

 以下は昭和天皇の母、貞明皇后の史実に基づく物語である。

 明治33年の春、節子姫(貞明皇后)は、東京・赤坂福吉町の九条邸で歴史や和歌、習字などの家庭教育を受けている。

 皇太子妃に内定して以来、外を歩くことはほとんどなかった。活動的な節子姫には、窮屈な日々だったに違いない。

 だが、やがて宮中に入るという意識が、節子姫の内面ばかりか外見をも、本人の気づかぬうちに変えていたようだ。

 父の九条道孝は厳格で知られるが、気晴らしも必要だと考えたのだろう。ある日、節子姫を連れ、宮内省管轄の浜離宮で鴨猟を行うことにした。