小泉八雲は手洗い・うがい欠かさぬニューノーマルだった

小泉八雲が旅館に滞在した様子を記した文書=10月30日、松江市奥谷町
小泉八雲が旅館に滞在した様子を記した文書=10月30日、松江市奥谷町

 「怪談」などの著書で知られる明治時代の作家、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン、1850~1904年)が松江市に来て最初に滞在した旅館での様子を記した文書が、小泉八雲記念館(同市)に寄贈された。手洗いやうがいを欠かさなかったことや卵料理が好きだったことなど、旅館の女将(おかみ)が見た八雲の日常生活が細かく記録されている。

旅館で過ごした日々

 文書は「冨田旅館ニ於(お)ケル小泉八雲先生」でA5判で本文27ページ。尋常中学校の英語教師として明治23年8月に松江に赴任した八雲が冨田旅館で過ごした約3カ月の生活を、細部にわたって記録している。

 小泉八雲記念館によると、文書は冨田旅館の女将の口述筆記で昭和11年1月に作成された。冨田旅館は昭和20年代後半ごろに廃業。冨田家の子孫が「管理してほしい」と今年8月、同館に寄贈した。

 「衛生ニハ余程心ヲ留メテ居ラレマシテ 外出シテ帰ラレタ時又ハ筆(ペン)ヲ把テ仕事ヲサレタ後ナド 必ラズ手ヲ洗ヒ含(ウガ)嗽(ヒ)ヲセヌト氣ガ済マヌ」