西論プラス

日弁連の左傾闘争 司法が戒めよ 社会部長・牧野克也

日弁連が入る弁護士会館=東京都千代田区
日弁連が入る弁護士会館=東京都千代田区

 わが国の法曹の一翼を担う弁護士になるには、各地の単位弁護士会を通じて日本弁護士連合会(日弁連)の弁護士名簿に登録しなければならない。単位会と合わせて毎年数十万円以上の会費を徴収され、脱退の自由もない。日弁連が「強制加入団体」といわれるゆえんだ。

 現在の会員数は約4万2千人。社会の多様な価値観を反映し、右から左までさまざまな思想信条を持つ人がいる。だが近年、宣言や決議、会長声明と銘打った日弁連の政治的意見の表明が目立つ。死刑制度反対、安全保障関連法反対、憲法改正反対。特に安保関係は特定の野党の主張と重なり、ときに集会やデモも行う。中立であるべき強制加入団体が、さながら反権力の政治集団と化している。

 旧知の弁護士はいう。「必ずしも多数派でない左派、人権派が組織内で実権を握り、左傾的闘争を主導している」

死刑廃止宣言の波紋

 日弁連のありようを問う訴訟が京都地裁に提起された。

 原告は京都弁護士会の南出喜久治(きくぢ)弁護士。日弁連が平成28年10月、福井市で開いた人権擁護大会で採択した「死刑制度の廃止を目指し、終身刑の導入を検討する」という初めて死刑廃止を掲げた宣言の無効確認を求めている。