クローズアップ科学

富岳はなぜコロナ危機で成果を上げられるのか

スーパーコンピューター「富岳」(理化学研究所提供)
スーパーコンピューター「富岳」(理化学研究所提供)

 日本の国策スーパーコンピューター「富岳(ふがく)」がスパコンの性能を競う4つのランキングで連覇を果たした。富岳はその圧倒的な性能を新型コロナウイルス関連研究に生かしているが、来年度の本格稼働を前にした緊急対応でどうして成果を上げられたのか。その背景には、先代の「京(けい)」の反省を踏まえ、大規模計算を社会に役立つ成果に結びつけることを根幹に置いた設計思想があった。(松田麻希)

スマホアプリも動くスパコン

 富岳は、来年度の本格稼働という予定を大幅に前倒して今年4月からコロナ克服に向けた研究に投入され、すでにその成果を社会に還元しつつある。このことについて、富岳の開発と運営を担う理化学研究所の松岡聡・計算科学研究センター長は、「わが国のスパコン政策が正しかった」ことを意味すると指摘した。