戦後75年 第7部 教育(5)

進まぬ大学の「淘汰」、私大の4割赤字

 「公立化はゴールでも延命(措置)でもない。全てはこれからだ」

 平成29年4月、私立から公立に移行した長野大(長野県上田市)の設立式典。運営法人の設置者である同市の市長(当時)、母袋(もたい)創一は式辞で、経営難に陥っていた同大に公費を注入し、地元振興の拠点として再生させた意義を強調した。

 定員割れによる赤字続きに苦しんでいた長野大だったが、公立化により、主に国費を財源とした交付金による学費の値下げや、「公立」ブランド効果で人気が集まり、現在は志願倍率が6倍前後で推移。県内で就職した卒業生の割合は当初目標の7割を超えており、長野大は「地域の人材確保という面で一定の役割を果たせている」(同大幹部)と話す。