知論考論

「国の存亡かけ 虐待から子供守れ」 児童相談所任せから脱却を

日本子ども虐待防止学会の奥山真紀子理事長(左)と花園大の和田一郎教授
日本子ども虐待防止学会の奥山真紀子理事長(左)と花園大の和田一郎教授

 児童虐待を定義し、対応策を盛り込んだ児童虐待防止法が制定され、施行してから、今月20日で20年となった。その間に児童相談所(児相)の虐待対応件数は増加の一途をたどり、児相の人手不足は指摘されて久しい。虐待対策の課題と進むべき方向性は何か。日本子ども虐待防止学会の奥山真紀子理事長と花園大の和田一郎教授に聞いた。(聞き手 西山瑞穂)

中心は子供の権利 市区町村の支援が鍵握る 奥山真紀子氏

 児童虐待防止法制定の初期の効果は虐待の定義を明確にし、社会の認知を高めた点だった。その後、児童福祉法とともに改正を重ね、対策が進んできた。

 当初は子供を守る仕組みを整えることが急務で、都道府県や政令市などが設置する児童相談所の権限強化が課題だった。しかし、今後はその先のステップに進む必要があり、親子分離などの大きな権限には裁判所が関わるべきだと考える。