信長の安土城復元のカギはバチカンに渡った「幻の屏風絵」

滋賀県近江八幡市が「天守指図」などを基に作成したVR(仮想現実)の安土城(提供:近江八幡市、天主復元案監修:内藤昌氏、制作:凸版印刷株式会社)
滋賀県近江八幡市が「天守指図」などを基に作成したVR(仮想現実)の安土城(提供:近江八幡市、天主復元案監修:内藤昌氏、制作:凸版印刷株式会社)

 戦国武将・織田信長の居城、安土城はその高い知名度からこれまで何度も復元計画が浮上し、そのたびごとに頓挫してきた。築城からわずか数年で失われたことで史料が少ないことがその大きな理由だが、そんな中、安土城の実像に迫るカギになると期待されるのが、信長がローマ教皇に贈り、その後所在がわからなくなった「幻の屏風(びょうぶ)絵」の存在だ。(花輪理徳)

復元は長年の悲願

 安土城は天下統一を目前にした信長が天正7(1579)年に琵琶湖東岸の安土山一帯(現在の滋賀県近江八幡市)に築いた城。5層7重の豪華な天主(天守)を備えていたとされるが、3年後の本能寺の変後の動乱の中で焼失した。構造などに関する詳しい記録が残っていないため「幻の城」とされており、現在、城跡は国の特別史跡に指定されている。

 観光振興の観点から、県が現在、VR(仮想現実)などのデジタル技術による再現などの「見える化」を模索しているが、地元・近江八幡市の担当者によると、「民間主導の計画も含めると、10年に1度くらいのペースで復元機運が盛り上がってきた」と明かす。