
ホタルの祖先は強い深緑色に光っていたことを、中部大などの研究チームが1億年前のホタルのタンパク質を復元することで確認した。ホタルに進化する直前は、弱い赤色だったことも判明。バラエティーに富んだ色に光る現在のホタルへと進化した理由を、研究者は「生殖のために仲間を探しやすくする必要があったため」とみる。「源氏物語」や「万葉集」などに登場し、幻想的なイメージもあるホタルが歩んだ長い進化の道のりとは-。(有年由貴子)
遺伝子情報からたどる
現在のホタルは、世界に約2千種が確認されており、およそ半分の種が黄緑色や黄色などに発光する。尾部(びぶ)に「発光器」があり、体内でつくられる酵素タンパク質「ホタルルシフェラーゼ」と化学物質「ホタルルシフェリン」が反応することによって発光する。光の色がさまざまなのは、ホタルルシフェラーゼの構造の違いによって生み出されている。